日本一大きな鯉のぼりをご存じだろうか。埼玉県加須市で毎年ゴールデンウィークに開催される「加須市民平和祭」では長さ100m、重さ330kgの巨大な鯉のぼりが夏めく空を自由に舞う。そんな雄大な光景の下、同じく雄大な志を抱き挑戦を続ける企業がある。今回は、就農8年目で作付面積延べ300ha、売上高1.5億円を突破した中森農産株式会社の営農部加須営農所所長の佐藤康平氏にお話を伺った。
日本農業の未来を見据えて
同社の代表である中森剛志氏は1988年生まれの35歳。学生時代より世界の食糧問題に興味を持ち東京農業大学に進学、日本農業の直面する問題を目の当たりにして危機感を抱き、まずは日本の農業を立て直さなければという思いで25歳の時に個人で就農、わずか8年目で作付面積延べ300haのメガファームとなった。
そんな同社が掲げるミッションが「農業のもたらす価値を最大化し、人々の食を守り抜く」「日本農業の生産能力を高め、未来永劫継承する」だ。食糧安全保障の重要性がより身近なものに感じられる昨今、このミッションを軸に同社について知ることで、未来を見据えた農業現場の「今」に迫っていく。
限られた時間で素早くがっちりあぜを塗りきる「超耕速カドヌールACE」
とてつもなく大きなミッションの達成に向けて進み続ける中森農産株式会社。その生産能力の向上・生産コストの削減の一助となっているのがササキの超耕速シリーズだ。
その中でも特に恩恵を感じている機械が「超耕速カドヌールACE」だと佐藤氏は言う。
「大豆や小麦、トウモロコシの作業をしていると年を越してしまい、その後2月には乾田直播の播種が始まる。崩れにくいあぜを作るには水分量などほ場のコンディションが重要だが、ほ場のコンディションが良くあぜぬりに割けるタイミングは3・4月の雨が降った後の数日しかない。従来機では低速で、いいコンディションの時にあぜを塗り切ることができない」
あぜぬり作業は0.2~0.8km/h程度のスピードが一般的で、場合によっては0.1km/hでゆっくりと作業を行うことも珍しくない。ところが、同社では、通常時は0.8~1.0km/h、まっすぐで障害物の無いところでは1.5km/hまでスピードを出して作業をしている。
限られた時間で素早くがっちりあぜを塗りきる「超耕速カドヌールACE」
とてつもなく大きなミッションの達成に向けて進み続ける中森農産株式会社。その生産能力の向上・生産コストの削減の一助となっているのがササキの超耕速シリーズだ。
その中でも特に恩恵を感じている機械が「超耕速カドヌールACE」だと佐藤氏は言う。
「大豆や小麦、トウモロコシの作業をしていると年を越してしまい、その後2月には乾田直播の播種が始まる。崩れにくいあぜを作るには水分量などほ場のコンディションが重要だが、ほ場のコンディションが良くあぜぬりに割けるタイミングは3・4月の雨が降った後の数日しかない。従来機では低速で、いいコンディションの時にあぜを塗り切ることができない」
あぜぬり作業は0.2~0.8km/h程度のスピードが一般的で、場合によっては0.1km/hでゆっくりと作業を行うことも珍しくない。ところが、同社では、通常時は0.8~1.0km/h、まっすぐで障害物の無いところでは1.5km/hまでスピードを出して作業をしている。
「超耕速シリーズ」フル装備が規模拡大の一助に
同社では「超耕速カドヌールACE」の他にも「超耕速マックスハローACE」「超耕速アクティブロータリー」を各2台と、超耕速シリーズ全種を導入している。
「超耕速シリーズはスピードを上げて使用できる作業機。ロータリーは特に播種床作り前の耕うんなどにおいて、高速浅耕で負荷をかけずにPTO高回転で作業し燃料費を削減できる。現代の農作業の流行りにマッチしたコンセプトの機械と感じる。代かきもスピードを上げても満足のいくクオリティで、面積が拡大しても快適に作業ができている」
大規模な現場においても「超耕速シリーズ」が作業時間を短縮し、人件費や燃料費といった生産コストの削減に一役買っていた。
「農業」を若者の選択肢の一つに
今回お話を伺った佐藤氏も、同社が掲げるミッションに賛同し農業の世界に飛び込んだ一人だ。大学の農学部を卒業後、都内でシステムエンジニアとして働いていたが、25歳の時に同社に転職。「AIに奪われる仕事ではなく、AIと一緒にAIに負けない仕事がしたい」という思いから、天候や植物(生き物)などの不確定要素を相手に管理・コントロールする農場管理者・農場マネージャーを志した。入社5年目の今では加須営農所の所長として所内の管理業務を担っている。
同社を志望した理由は待遇面も決め手の1つだったという。「給与等の待遇が同業他社と比較して高水準で、他業種の一般企業と同じ土俵に立てている」と佐藤所長。農業の「安い」「きつい」といったマイナスイメージの払拭に努めており、実際に佐藤氏の他にも新卒入社や、運送業・電気工事業など他業種からの中途入社など年々若い人材が集い、今後もさらに規模拡大を進めていく意向だ。
「農業」を若者の選択肢の一つに
今回お話を伺った佐藤氏も、同社が掲げるミッションに賛同し農業の世界に飛び込んだ一人だ。大学の農学部を卒業後、都内でシステムエンジニアとして働いていたが、25歳の時に同社に転職。「AIに奪われる仕事ではなく、AIと一緒にAIに負けない仕事がしたい」という思いから、天候や植物(生き物)などの不確定要素を相手に管理・コントロールする農場管理者・農場マネージャーを志した。入社5年目の今では加須営農所の所長として所内の管理業務を担っている。
同社を志望した理由は待遇面も決め手の1つだったという。「給与等の待遇が同業他社と比較して高水準で、他業種の一般企業と同じ土俵に立てている」と佐藤所長。農業の「安い」「きつい」といったマイナスイメージの払拭に努めており、実際に佐藤氏の他にも新卒入社や、運送業・電気工事業など他業種からの中途入社など年々若い人材が集い、今後もさらに規模拡大を進めていく意向だ。
作業者の多様化に対応した教育体系の確立
今後取り組みたいことについて佐藤氏に尋ねると「より良い教育体系の構築」と答えてくれた。
「規模の拡大に従い、性別や経験・スキルなど様々な人材が増えていく。そうした人たちに対して農業や機械など、現場で生きる知識をどれだけ体系的に教育できるかが人材定着・規模拡大のための鍵になると思う。どんな人でも作業をしやすいような仕組みを構築していきたいし、使用する機械も様々な作業者に配慮した物であってほしい」
日頃作業に取り組む所員の働きやすさを考え気配りを欠かさないことが、明るく活気あふれる職場を維持できる所以であろう。
代表の志の下に集った精鋭たちは、農業のもたらす価値を最大化すべく生産能力を高め、その仕組みを未来永劫継承するためこれからも奮闘していく。
プロフィール
中森農産株式会社
農産物の生産・加工・販売、農作業の受託
農産物の貯蔵及び運搬
代表者 中森 剛志
社員数 16名(2023年)
営農面積 延べ300ha(2023年)
(水稲170ha、大豆50ha、小麦60ha、子実コーン20ha)
非農家出身から2015年に就農、翌年に法人化し8年目。
埼玉県加須市、茨城県鉾田市、栃木県野木町の3か所に営農所を構える。
Mission
「農業がもたらす価値を最大化し、人々の食を守り抜く
日本農業の生産能力を高め、未来永劫継承する」
会社HP:https://www.nai.organic
プロフィール
中森農産株式会社
農産物の生産・加工・販売、農作業の受託、
農産物の貯蔵及び運搬
代表者 中森 剛志
社員数 16名(2023年)
営農面積:延べ300ha(2023年)
(水稲170ha、大豆50ha、小麦60ha、子実コーン20ha)
非農家出身から2016年に就農、翌年に法人化し8年目。
埼玉県加須市、茨城県鉾田市、栃木県野木町の3か所に営農所を構える。
Mission
「農業がもたらす価値を最大化し、人々の食を守り抜く
日本農業の生産能力を高め、未来永劫継承する」
会社HP:https://www.nai.organic